
水中では鍾乳洞のような石灰岩の美しい造形は出来ないそうなので、実際は鍾乳洞が出来た後に地下水に満たされた洞窟だとされています。
そして、地下水が天井まで満ちていない場所では、鍾乳洞はすでに天井の重さを支えきれず、崩落している箇所が複数有るそうです。
地上からその崩落した箇所を見ると、大きな穴の下に、大きな川が流れているように見えます。

これは、本当に幻想的でしょうね…
地下洞窟の水は、海に接続しています。低地であるが故、ユカタン半島の大地下洞窟網の水は、塩分が含まれている場所も結構広範囲に広がっているそうです。
塩分を含む水は比重が軽いため、表面を薄く覆う形で薄く分布しているそう。
一定の深さを超えると、真水の層になるんだそうです。

かつては、メキシコの都市の水源としても利用されていたそうです。
上部の写真は、ボロンチェンという街で20世紀初頭まで使われていた取水のセノーテです。

また、ユカタン半島と言えば、マヤ文明。この文明でも、この地下水を大いに利用していたらしく、この水中洞窟を探ると、マヤ文明の遺跡が出てくることがあるそうです。マヤ文明の遺跡らしき場所からは、人骨が出てくることがあります。
なんと、このセノーテに、生け贄の儀式として、人を投げ入れていたのだと言われています。
このどこまで続くのか分からない巨大で美しい空間は、確かに神がかり的なモノを感じさせます。古代マヤ人も、この巨大な地下の海に神秘的なモノを感じていたに違いありません。
もう、最高に幻想的ですね…この洞窟。

また、セノーテの中には、こういう風に人が入れるように観光地化された場所もあります。
ここは、「Ik-kil」(読みはイキキル?)と呼ばれる観光施設の一角で、ビステの街付近にあります。ユカタン半島の北部の、ちょうど中央辺りでしょうか?
洞窟内に向かって、垂れ下がる釣るが非常に幻想的。
水面までの高さは26m、水深がおよそ40m、直径は60mほどある巨大な穴です。
大きな地図で見る※「Ik-kil」