母国を守った洞穴の街・クチトンネル(ベトナム

母国を守った洞穴の街・クチトンネル
 ホーチミンから北へわずか30kmほどの場所に、アリの巣のような地下洞窟が存在しています。これが、現在は観光化されている負の遺産、クチトンネルです。
 現在観光地となったクチトンネルですが、その歴史を知るには、ベトナム戦争の概要を知る必要があります。

Cu Chi Tunnel

 ベトナムは、日本が明治維新を起こしている時代、東アジアが西欧列強に揺さぶられていた時代、阮朝という統一国家を形成していました。しかし、元々中国色の強い北ベトナムと、チャンパ王国という古代から続く南ベトナムを無理矢理統一した形だったために、西欧列強の中のフランスに、反乱・内乱・お家騒動の間隙を突かれ、植民地化されてしまったところから始まります。
 そして、第二次大戦末期には、フランス兵を下した大日本帝国軍がベトナムの実験を撮り、今度はベトナム帝国というこれまた今度は日本の傀儡政権が誕生してしまいます。しかし、半年もすると日本は第二次大戦に敗れ、ベトナムは無政府状態となります。このとき、フランスに支配されていたカンボジア、ラオスとともにベトナムも独立を宣言するのです。
 ところが、第二次大戦終戦後フランスがベトナムに復帰し、南ベトナムに傀儡政権を樹立させ、北部の独立したベトナム民主共和国と交戦状態に入っていきます。ここでもまたフランスの既得権益の欲望に振り回されてしまった訳ですね。

 フランスはアメリカに援助を受け、ベトナム民主共和国はその大戦力に対し、ゲリラ戦で対抗し、見事にフランスを下したのです。1954年のことでした。しかし、その頃にはアメリカとソビエトの対立構造が出来上がっており、ベトナムもその冷戦に深く巻き込まれている状態でした。

UH-1D helicopters in Vietnam 1966

 フランスからの支配から解放することに成功したベトナム民主共和国でしたが、アメリカの工作によりフランスがいなくなったはずの南部にまたもアメリカ傀儡政権と呼べるベトナム共和国(南ベトナム)が誕生し、とうとうアメリカ本体が出てくる戦いへと突入していくのです。

Saigon War Remnants and Cu Chi tunnels

Cu Chi Underground Tunnel

 クチの地下トンネルは、その南ベトナム解放戦線の代表的な戦闘方法、ゲリラ戦の代表的な戦術施設です。南部ベトナムのホーチミンにあると言うことは、正に南ベトナムの首根っこを掴む位置にありますよね。
 現在ツアーで洞窟内に入ると、やたら危なそうな、昔の忍者屋敷にありそうな罠が多数見学出来るそうです。この洞窟内を走り回り、アメリカ軍を翻弄し、侵入してくるアメリカ軍をこの罠で牽制していた訳ですね。近代的な重装備のアメリカ兵に対し、この忍者が使うような罠で対抗していた、そして、最終的にはそのアメリカ軍を撤退へ追い込んだというのがスゴイですよね。

Cu Chi Tunnels Cu Chi Tunnels, Nr. Ho Chi Minh City, Vietnam Saigon War Remnants and Cu Chi tunnels Saigon War Remnants and Cu Chi tunnels
※なんという危なすぎる罠か…

 しかし、内情は苦しかったらしく、米国の攻撃に次に亡くなる人が多かったのが、マラリアなどによる病気だったそうです。また、空気の欠乏、そして何より食料の欠乏など、ゲリラ戦も生死をかけた戦いでした。
 また、昼間はこういった洞窟内に隠れているのですが、夜は外に出て畑を耕す…なんてこともあったそうです。
 ベトナム戦争と言えば米軍視点のものばかりが世界を席巻していますが、南ベトナム解放戦線視点の映画も見てみたいですよね。その実情は、きれい事ばかりではなく、自国民同士の争いも多数含まれていると言うことです。

 現在、この120kmにも及ぶクチトンネル、その他周辺の施設は、「戦争記念公園」となっています。
 すべては歴史へと変わっていくのですね。この公園では、当時の南ベトナム解放戦線の食事を再現した料理も食べることが出来るそうです。なんか…複雑ですよね。
 現在ベトナムは、中国に続く経済発展が期待されているパワフルな国です。決して一枚岩とは行かないようですが、それでも日本では人気の観光地となっていますよね。現在「世界の工場中国」の次期ポストをになうかも知れない一国なんだそうです。

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