By Dougie O'Brien 街の上にロープウェーと言うだけでも珍しいのに、どこかチベットな雰囲気があるその風景は相当ナイスです。
ガントクは、インドのシッキム州という州都になるのですが、元々ここはいわゆるチベット僧侶の亡命国家・シッキム王国があった場所です。ブータンと同様の経緯で建国された国ですね。チベットには力を持った高僧がたくさんいて、それが僧の最高位である「ダライラマ」に選出されず(なれず)、その僧が不満を抱いてしまったら、力を持っているが故に多数の僧侶を引き連れて、チベットから独立宣言してしまうと言うことが可能だったという訳ですね。
どこか、チベットな雰囲気がある訳です。
By Motographer
By Abhishek Kumar
By Salim Ansari ちょっとだけくたびれた建物などもあり、しかしカラフルな住居もあり、とても良い雰囲気です。
これは良いですね…。
ヒマラヤ山脈の1800m付近にある街で、その稜線に沿って街が発展しています。
19世紀終わりから20世紀初めまで、インドは英領インド時代を経ていますが、その時代、英国はチベットとの交易の拠点として、このシッキムに目をつけるんですね。交易の中継地点として発展してきた訳です。
当時はまだ王国として事実上独立していましたが、チベット政府は当然シッキムを独立しているとは認めず、そしてチベットを属領としていた中国もシッキムの独立を認めず、正統な中国を名乗る台湾もシッキムを独立国とは認めず、しかしイギリスはお金を出してシッキム(南部)を買い取り…
ややこしいですね…
結局1970年代、いわゆる公平な選挙制度が浸透してきた結果、シッキム地域では少数派のチベット僧の政党は破れ、王国も消滅してそのままイギリスからシッキムの権利を継承していたインドに併合されていったのです。ブータンとは反対の顛末を迎えてしまったのですね。
現在は、タクシー料金が統一されるなど、観光地として成り立っています。街全体禁煙、ポイ捨て罰金等々、かなり観光に力が入れられているようです。併合前時代はごたごたしていましたが、現在は治安も良いのかも知れませんね。
シッキムの主要な寺院はガントクに移されたため、仏教徒の巡礼地としての人気も高いようです。
By Amit Mitra こちらは夜のガントク。
良いですね、ヒマラヤの中腹に浮かぶ夜景ですか…